上野の杜ブログ 「藝祭2023とまちのコラボ」 

巨大な御輿とサンバパレードで有名な東京藝術大学の学園祭・藝祭、今年もその季節がやってまいりました。藝大生の汗と涙のお祭りの3日間です。実に4年ぶりのリアルな場で、コロナ前と同じ状態での開催となります。

今回はその藝祭の見どころの一部をご紹介いたします。

https://geisai.geidai.ac.jp/2023/

今年のテーマは、いまここで。「いま」という瞬間の大切さと「ここ」でお祭りを行うことができるありがたさから決められました。

藝祭といえば展示や演奏、模擬店、アートマーケット、ステージライブなど美術学部、音楽学部の学生たちが日頃の研鑽を社会に広く公開するお披露目の場でもあります。上野公園で行われる巨大な藝祭御輿の練り歩きは初日の午前から午後にかけて見ることができます。各科オリジナルの法被を纏って魅せるダンスパフォーマンスは圧巻。上野公園の噴水広場は熱狂に包まれます。

お祭りは、上野公園内だけでなく、上野商店街も舞台に多くの展示や演奏が繰り広げられます。

中でも一番の見もの、それが上野商店街での藝祭御輿の渡御です。

今年は、上野六丁目商店街連合会がコロナ前と同様の状態で藝祭とコラボを行います。

↓↓↓プレスリリースはこちかご覧になれます↓↓↓

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000127536.html

上野マルイ、六丁目商店街の店舗でのポスター展示やストリートライブも連日開催されます。

写真は藝祭御輿渡御の様子です

藝大サンバ部も一緒に渡御します

昨年もコラボを行った上野中通り商店街では、今年も上野倶楽部にて藝祭とコラボを行います。今年はなんと!摩利支天をテーマにした日本舞踊です!

https://ueno-club.jp/geisai/

9月2日(土)に上野摩利支天の境内にて行われます。藝大博士を修了した新進気鋭の日本舞踊家による上野摩利支天をテーマにした創作演舞、こちらもぜひ必見です。

残暑の中かもしれませんが、秋の訪れを感じつつ、芸術の秋をいち早くお楽しみいただくのはどうでしょうか

東京文化LC L一ノ瀬健太

ヒストリーライオン『どうした家康・なにした家康』ー羽柴秀吉と家康が激しく争った「小牧長久手の戦い」ー

皆さんこんにちは!
東京文化ライオンズクラブと歴史探求団体「ヒストリンク」のコラボレーション企画
ヒストリーライオン『どうした家康・なにした家康』のコーナーです。
夏も終わりを迎えつつあり大河ドラマも折り返し地点を過ぎましたね。
今号では本能寺の変にて織田信長が斃されたあとの話、
羽柴秀吉と家康が激しく争った「小牧長久手の戦い」について取り上げていきます!

【本能寺の変以後の織田家の家督争いを辿る!】

―天正十年(1582)本能寺にて織田信長散る―

このニュースは日本全土に衝撃をもたらします。
信長のもと収まりかけた天下が一転して再び戦乱の世に戻ってしまう…
そのような張り詰めた空気の中の数年間となったでしょう。

大河ドラマでは
第三十章「あらたなる覇者」
第三十一章「史上最大の決戦」
第三十二章「小牧長久手の激闘」
の三回に分けてこの頃の様子が描かれました。

ここからの数年間は織田政権内部が慌ただしく変化するため
情報を整理しながら押さえていくと分かりやすいでしょう。
今回は主に「小牧長久手の戦い」までの流れをとりあげて
混乱する情勢を三英傑「織田・豊臣(羽柴)・徳川」の視点から整理していきます。

【羽柴秀吉の視点】

本能寺の変の知らせを聞いたとき秀吉は中国地方にて毛利と交戦中でした。
しかし信長落命の情報を得ると攻めていた城の主人に腹を切らせ素早く和睦。
そのまま10日間の猛スピードで畿内へと引き返します(中国大返し)
予想外の進軍速度に対応の遅れた明智光秀を「山崎の戦い」にて破り、
主君の仇討ちという一番手柄を立てることになりました。

その後織田家の後継者を決める「清須会議」では
次男三男の信雄・信孝の後継者争いを抑え、信長の孫の三法師を推挙。
ここから発生した反秀吉陣営である柴田勝家(織田家筆頭家老)、信孝を破ります(1583年,賤ヶ岳の戦い)
この戦いのときには織田家次男織田信雄は秀吉サイドにつき戦いましたが、
その後安土城を取り上げられるなどの待遇不満を徳川家康に相談。
天正12年(1584)に小牧・長久手の戦いが勃発することになったのでした。

【徳川家康の視点】

本能寺の変の知らせを聞いたとき、家康は京の都にいました。
天正十年(1582)は宿敵武田勝頼を滅亡させた記念すべき年でもあり、
信長は甲府をしばらく見物したあと家康の所領を大変な歓待を受けながら凱旋したのでありました(ドラマ第二十六章『ぶらり富士周遊』)
この時の様子は太田牛一『信長公記』にも詳しく記されており「信長公の御感悦(ごかんえつ)、申すに及ばず」との箇所があります。
このようなもてなしは「上古よりの初めなり」とまで称える記述もあり、
それほどまでの接待のお礼にと今度は家康が来る際に「安土への道中、家康に最大の馳走を」との指示を諸大名に命じられました。
このときの歓待役として選ばれたのが明智光秀でありますが、この際に腐った魚を提供したため信長に折檻を受け
それが本能寺につながったと『川角太閤記』という書物には記されています。

そして旧暦六月二日、本能寺の変。
第一報を茶屋四郎次郎から知らされた家康は危機を悟ったことでしょう。
信長と家康は「清須同盟」という強い同盟関係を結んでいる仲だったため、
明智光秀に真っ先に命を狙われることが必定だったからです。
そのような人生最大ともいえる危機の中、俗にいう「神君伊賀越え」により本国に帰還した家康ですが、
主君の仇討ちには間に合わず秀吉に先を越させれる形となりました。
※ただし一説には、恩賞の不確実な仇討ちを敢えて避け甲斐や信濃など武田の旧領の制圧に力を入れたという話もあります。
その後清須会議を経て、賤ヶ岳の戦いに直接は介入せず。
戦後の待遇悪化を訴える三男織田信雄と共に秀吉の権力拡大を防ぐべく小牧・長久手の戦いを始めたのでありました。

【小牧長久手の戦いとは】
本能寺の変から二年、賤ヶ岳から一年後の
天正12年(1584)に羽柴秀吉VS徳川家康・織田信雄の間で行われた戦いです。

この戦いは「織田・豊臣・徳川」の三英傑が唯一関わりあった戦いとも言われており、
のちの関ヶ原には規模で負けますが天下を大きく二分した戦役だといえます。
3月から11月にわたる長期間行われたこの戦いは、序盤家康が
長久手の戦いにて豊臣方の池田恒興、森長可(ながなり)を打ち取るなど圧倒しますが、
織田信雄が豊臣方に本領を責められ和睦。戦の大義名分を失ってしまった家康も
それに合わせて戦を終結させる形となりました。

池田恒興は信長の乳兄弟で、また森長可は父である森可成(もり よしなり)と同様
織田家の重臣でありましたのでこの二武将を打ち取った家康は当時大変に喜んだと記録に残っています。
森長可は「鬼武蔵」として大変武勇に優れた勇将で、勇ましいエピソードも数々ありますから、
ご興味あればぜひお調べください。

参考:森長可は戦国最強の『鬼』!強烈で魅力的な人生を最初から最後まで
https://yururito-sengoku.com/sengokumorinagayosi/sengokumorinagayosi1.html

小牧長久手の戦いは規模・知名度こそは関ヶ原に劣りますが、
天保年間の歴史学者頼山陽の『日本外史』には「公(家康)の天下を取る、大坂に在らずして関ヶ原にあり、関ヶ原に在らずして、小牧にあり」
との記述もあり、現地には江戸時代に建てられた石碑も数々残されているそうです。

以上が本号のメイン内容となります:)
紹介しきれなかった内容については下記に参考リンクを掲載いたしますのでご参照ください:D。
今月はヒストリンクに関係する若者たちが岡崎公園にて「カードラリー企画」を市役所公認で行うなど
歴史メンバーの勢いがますます盛んになってきております!
そちらの様子も併せてご覧ください

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東大、慶應、法政の現役の大学3年生が教育を変えようと立ち上げた株式会社Highstoです!

我々について

我々の制作する『歴史カードゲームHi!story(ハイストリー)』が、この8/11-13の3日間で愛知県岡崎市と共催でイベントを開催しました!

岡崎お出かけナビ | 世界に2000枚だけ!岡崎公園で歴史カードラリー

Twitterの告知

ありがたいことに、3日間大盛況でした!

徳川四天王及び徳川家康公の限定カードを配布した歴史カードラリーと、Hi!storyで遊べる無料体験会を開催したところ、

  1. 合計8000枚近くの限定カードを配布!
  2. 親子連れをはじめ、300人以上の方が体験会に参加!

改めて、参加していただきありがとうございました!

これからも歴史ある場所とのコラボして地域の盛り上げに貢献できることもしていくつもりなので、歴史、教育、子供の集客など僕たちにできることがあれば以下に遠慮なくご一報ください!

メールアドレス info@highsto.net

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公式HP
公式Twitter

ライオンの皆様の暖かなご声援が力になっております。
今後ともぜひよろしくお願いします:D


【☆ヒストリーライオンでは質問も募集しております】
今回のレポート・特別篇はいかがでしたでしょうか?
歴史や地理に興味のあるライオン同士で繋がりましょう!
本メルマガでは歴史好きにとって興味深いトピックも詳しく解説していきます。
(例:長篠の戦い、神君伊賀越え、関ケ原などは大注目!)
歴史に興味がある・これから学びを深めていきたい…といった歴史情報に注目されている方がいましたら、
ぜひメルマガの感想をいただけますと嬉しく思います♪
大河ドラマを見ていて疑問に思ったことなども、なんでも質問いただけましたら調査致します。
歴史好きな皆でぜひ交流を深めていきましょう。
よろしくお願いします♪


【ご参考】
☆どうする家康HP
https://nhk.or.jp/ieyasu/
☆ヒストリンク
https://historyenjoy.com

豊臣秀吉と柴田勝家が戦った「賤ヶ岳の戦い」とは?|信長の次の天下人を決めた重要な戦い【日本史事件録】
https://serai.jp/hobby/1143117
悲劇のヒロインお市の方の娘「浅井三姉妹(茶々、初、江)」ー人生から伝説までを女性史大好き歴女がとことんわかりやすく解説
https://study-z.net/3982
織田信雄~織田信長の次男のその生
https://senjp.com/nobukatsu/

【文責】
東京文化ライオンズYCE委員会・地理歴史研究班所属、鈴木慎平
協力:徳川家を楽しむ会(歴史研究者とのマッチングサービス)
連絡先:yanaka.labo@gmail.com
歴史団体ヒストリンク・歴史を楽しむ会 代表 斎藤太一
連絡先:http://histlink.pro.fan@gmail.com

「2023うえの夏まつり〜不忍夢」に32,515名が来場―ステージ・出店・盆踊り・パレードで文化が混ざり合う上野だからこその祭りが実現!

東京文化ライオンズクラブのL深澤です。この度、支部・レオクラブとして提携したNPO法人おりがみ主催・東京文化ライオンズクラブ協賛で「2023うえの夏まつり〜不忍夢(しのばずのゆめ)」を開催しました。対面の開催は2019年以来4年ぶりの開催となりましたが、まずは無事に終えることができましたことを、心より感謝申し上げます。

上野地域の「山」と「街」の文化圏の衝突の問題解決の一歩になることを目指し、7月22日(土)23日(日)の2日間で32,515名の方々にご来場いただきました。多様な団体から、ステージ出演に10組・テント出店に6企画がご参加いただきました。盆踊りでは盆踊りDJとして鈴木Lと湯島天神白梅太鼓保存会さん、パレードでは東京藝術大学サンバ部さんや上野囃子保存会さんにご出演いただきました。様々なご支援のもと、異なる人々が混ざり合う「奇跡の瞬間」を実現できました。異なる文化圏が併存する上野でこそできるお祭りを共創することができたと思います。

大阪・関西万博の「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジにも採択されており、今後の継続に向けて、皆様のご参加・ご支援をお願いいたします。

〈イベント概要〉

【日時】7月22日(土)・23日(日) 16:00~21:00

【会場】上野恩賜公園 不忍池弁天堂前広場

【来場者数】32,515名

【コンテンツ】

12:00~21:00 テント出店企画 6企画が出店

16:00~19:00 ステージパフォーマンス 10組が出演

19:00~20:15 盆踊り 盆踊りDJ鈴木さん 湯島天神白梅太鼓保存会さん

20:15~21:00 フィナーレ(パレード) 22日上野囃子保存会さん 23日東京藝大サンバ部さん

【公式サイト】https://2023uenofes-origami.studio.site/

【Instagram】https://www.instagram.com/ueno_origami/

【大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジ】https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/1294

〈実施体制〉

主催:NPO法人おりがみ/上野ハレノヒ計画

共催:学生団体おりがみ

後援:上野観光連盟

協賛:東京文化ライオンズクラブ、上野中通り商店街

〈詳細〉

博物館や美術館などのハイカルチャー・西洋文化を持った“山”と、アメ横などの商店街の下町・伝統文化を持った“街”という、異なる二つの文化圏が対立してしまうことがある上野で、日常で交わることのない人同士が、“お祭り“を共創することを目指しました。

テント出店には6企画が参加し、縁日の賑わいを創出。特に“山”側から藝を育むまち同好会よりsmall moat、“街”側からは上野倶楽部が、隣り合わせて出店しました。ステージでは、夢を持った若者10組の多種多様なパフォーマンスが展開されました。

盆踊りは盆踊りDJとして鈴木Lと湯島天神白梅太鼓保存会さん、パレードでは上野囃子保存会さんと東京藝大サンバ部さんにご出演いただき、まさに“山”と“街”双方の力が合流し、多様な参加者が共に踊り笑い合う、「奇跡の瞬間」を生み出すことができました。

関わっていただいたすべての皆様、本当にありがとうございました。毎年このコンセプトを守りながら広げ続けていくことが、あらゆる分断を越える力になると信じています。

また、「うえの夏まつり〜不忍夢」は、主催のNPO法人おりがみとして、大阪・関西万博の「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジに応募し、参加型プログラムとして採択いただきました。

2025年を節目に、来年以降の継続と発展のために、企画運営へのご参画、寄付協賛などのご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

〈これまでの活動の経緯〉

半世紀前に失われた上野の盆踊り大会を、学生の手で2019年に復活させ、1万人が来場しました。コロナ禍でもオンラインで活動を続け、「BON FES TOKYO 2021 〜うえの不忍夢祭り」は、2020東京大会開催時の東京都公認文化プログラム「Tokyo Tokyo FESTIVAL」認定事業に、学生で唯一採択されました。

コロナ禍から始めた上野中通商店街の支援企画「上野倶楽部」は2022年東京商店街グランプリ特別賞を受賞。2023年までに主催イベントのみで、参加者累計50,000人以上を記録している。東京都美術館「和様の書展・クセ字コンテスト」の展示やPeace of Light、シタマチ.ハロウィンなど上野内での協力イベントは20以上、15万人以上の人々を動員中。

〈NPO法人おりがみについて〉

NPO法人おりがみは、ボランティア企画のマネジメントを行うNPO法人です。2020年東京オリンピック・パラリンピックへの参画を目指して2014年に学生団体として立ち上がり、様々な東京2020大会関連企画のレガシーの継続・発展に取り組むとともに、魅力的なボランティア企画の研究・開発を進めています。

2014年設立以降、60大学300名以上を抱える日本最大規模の学生団体として、様々な社会課題に関わる、学生のボランティア活動を実施。宇宙分野では、スペースバルーンの技術で成層圏で「炎越しの地球」を撮影し、共生のシンボルにする「Earth Light Project」を実施。クラウドファンディングで、学生史上最高額である1059万円を調達。他にも、学生ボランティアを組織し、障害のある人のパラスポーツ観戦を楽しく支援する「パラ『旅』応援事業」や、千葉県南房総での秘密基地づくりなどを通して、県内の環境活動をリードする若手人材を育成する「Green Adventure〜環境冒険家の訓練場〜」などを運営。

公式サイト:https://origami-vol.or.jp

文化リレーコラム・Mature紀行①ブリストル:英国

旅に思いを馳せるとなると一過言おありの方々が多いでしょう。

本リレーコラム“Mature紀行”では歴史や文化を通じて旅をしたいといった方々に古今東西、時空の旅をお届けしたく、紀行談を語ってまいります。

この夏、8週間ほどブリストルに滞在する機会に恵まれました。およそ170kmロンドンの西側にあるこの古都はローマ時代から街が、産業革命までは英国第2の都市であったという。まさに英国最盛期に栄えたこの港町は日本人だけが知らない、世界中が知っている凄まじい歴史を経ていました。

この街は蒸気機関車や蒸気船で産業革命を牽引しインド、オーストラリア、ニュージーランド、香港など世界にまたがる大英帝国への発展に大きく貢献しました。英国を代表する画家ターナーの傑作「雨、蒸気、速度–グレートウェスタン鉄道」はブリストルからロンドンへむかう当時最先端の蒸気機関車であり、霧の中を疾走する姿が産業革命の勢いを感じさせます。また世界初の鋼鉄の蒸気船SSグレートブリテン号(1843年進水)はイギリスからオーストラリアへ移民を運ぶのに利用されました。現在博物館として一般公開されている。その名の通り英国を代表する当時世界最大の客船の故郷はブリストルです。

窓から外を見ている

自動的に生成された説明

◾️1844英国/『雨、蒸気、速度―グレートウェスタン鉄道』ウィリアム・ターナー

ロンドンナショナルギャラリー所蔵:筆者撮影

港に停泊している船

自動的に生成された説明

◾️1843進水/SSグレートブリテン号博物館:.筆者撮影

◾️ブリストルが誇る二人の偉人、技術士ブルネルと商人コルストン。

これらの鉄道車両、橋を設計し、蒸気船を建造したブリストルの技術士ブルネルは2002年BBCがおこなった「百人の最も偉大な英国人」の投票で第2位となっています。

19世紀ビクトリアン英国の圧倒的財力・技術力が世界を支配しようとしていました。その一世代前、19世紀の初頭まで英国に莫大な財をもたらしていたのがブリストルを中心に行われていた三角貿易。17世紀より行われた製品・武器(英国→)奴隷(アフリカ→)資源(アメリカ→)の3角貿易は産業革命の基盤になったともいわれ歴史の栄光かつ悲惨な人種差別を物語ります。18世紀には50万人以上のアフリカ人がブリストルの商人により取引されたともいわれています。なんと、これもまた歴史。19世紀初頭に奴隷貿易が禁止され、工業都市リバプールやマンチェスターに経済競争で負けるまではブリストルは英国の中心的都市でした。その後ブリストルの繁栄は徐々に失われていった、ゆえに日本人はこの街に馴染みが薄いのでしょうか。

17世紀末この奴隷貿易を率先して行った商人コルストンはブルネルに並ぶブリストル市民の誇りでもありました。教会や学校をつくるなどの福祉事業に精力的におこなった慈善事業家でもあったといいます。つまり奴隷貿易が悪いという認識はなく国を豊かにするためにやっていたのだと。 いまブリストル市民は猛然と悔い改めています。人種差別についての暴動、決起集会などさまざまな困難もへて自由な開かれた街をめざして市民は歩んでいます。3年前、コルストンの銅像がブリストル港に投げ込まれ、世界中の話題となりました。ブリストル市民は私に話してくれました、「もし人種差別という概念があったなら、彼は三角貿易をやっていただろうか」、答えは「絶対NO!」だと。歴史の功罪をかみしめて・・。

東京文化LC
会長 L城戸正幸

水掛け祭!深川八幡祭りの体験記

東京文化ライオンズクラブのL内田です。

今回は、去る8/13(日)に開催された深川八幡祭りの体験記をお送りします。

深川八幡祭りは、毎年お盆の真っただ中に開催されるお祭りで、約380年の歴史を誇り、神田祭、山王祭と並んで江戸三大祭に数えられています。


特に3年に一度行われる「本祭り」では、深川地区の各町会の神輿約50基が富岡八幡宮前に勢ぞろいし、半日を掛けて約8キロを練り歩くという「連合渡御(とぎょ)」が行われ、とてつもない規模のお祭りになります。


江戸時代には神輿の巡行ルートである永代橋にあまりにも多くの人が集結して、永代橋が崩落したこともあったとか。


コロナ禍により本祭りとしては6年ぶりの開催となった今年、深川住民歴の浅い私も初めて身をもってこの迫力を体験いたしました!

そもそも「深川八幡」とは富岡八幡宮の別称ですが、富岡八幡宮といえば例の忌まわしい事件をご記憶の人も多いかも知れません。


宮司承継争いが日本刀による殺人事件にまで発展したあの事件です。

調べてみるとあの事件がちょうど6年前。

あんなことがありながらも八幡宮が変わらず地域住民の生活に根付いている様を見てきた私からすると、今回の本祭りは、事件の謹慎明け、コロナ禍明けの2つの意味で、みんな気合入ってるだろうなーと何となく感じていました。

今年のお祭りは、8/11(金・祝)、12(土)、13(日)の3日間で組まれました。


1日目の8/11は、各町会において子供神輿の町内巡行、夕刻から町会ごとに宵宮開催、
2日目の8/12は、各町会において子供神輿と大人神輿の町内巡行、
3日目の8/13が本祭りで、各町会集結の連合渡御、
という流れで、みっちりのお祭り感。

8/11の夜には江東花火大会も開かれるので、もうお祭りムードにドップリです。

私は初体験なのでとりあえず今回は神輿担ぎには参加しませんでしたが、深川生まれの息子には半被を着せて子供神輿に参加させました。

深川祭りの特徴は、別名「水掛け祭」とも言われるとおり、沿道の人が神輿と担ぎ手に向かって水を掛けまくることです。

これがいい!

町会が調達した2トントラックに水を張ってバケツで水を撒くのはまだ想定内。


すごいのは沿道の普通の民家の人たちが、ポリバケツやビニールプールに水を張って待ち構えていることです。

で、子供だろうがお構いなく水をかけるかける!子供はもちろん大喜び。炎天下なので熱中症対策にもなります。


あとウチの町会の特権は、町内に深川消防署があること。なんと消防車からも散水を受けられます!

そんな感じで1日目2日目は各町会ごとに盛り上がった後、いよいよ3日目の連合渡御の本番を迎えます。

当日は朝6:30に53の町会の神輿が富岡八幡宮前に大集結。壮観です!

八幡宮の前の永代通りは夕方まで完全封鎖!

7時の祝砲花火の合図と同時に、事前に決まっている順番(駒番)に従って神輿が渡御に出発します。

53基も神輿があるので、すべての神輿が出発し終わるまでに2時間掛かります。笑

当然この日は観衆の数もすごいので見るのも大変です。

で、やっぱりここは水掛け祭り。消防車はさすがに出動しませんが、各町会の消防団が散水栓からホースを引っ張って水を撒く撒く!

ワッショイの掛け声に交じって、観客の歓声とも悲鳴ともつかない声が響き渡ります。
ある動物病院ではドクターとスタッフが総出でバケツとホースを持って神輿をお出迎え。マンションのベランダからホースで水をまく人もいる。公民館の前では和太鼓の少年団が神輿を励まします。それに対して担ぎ手は、神輿を高く持ち上げたり、回転させたりする技で応えます。

水を掛ける人も掛けられる人もビショ濡れ。沿道のお客さんもビショ濡れ。交通整理の警官もビショ濡れ。でもみんな笑顔!

いやー、最っ高!何なんだろ、この一体感。祭りってこんなに楽しいものだっけ?

8キロの巡行は5時間以上かかるので、いったん帰宅して昼食を取った後、一番神輿が八幡宮に戻ってくるのを見届けようと再度出発。

もう昼過ぎなので永代通りはもの凄い観衆です。八幡宮の周りは出店もいっぱいで「ザ・お祭り」な状態。

人ごみを掻き分けて水かぶりながら、やっとこさ最後の宮入りを少し見れました。
で、ここでも担ぎ手は白装束の神職から水を掛けられる。笑

ん?水掛けはひょっとしてここから由来しているのかな?

と、そんなこんなで連合渡御は無事に終わっていきました。

その後も各町会に帰ってから神酒開きと宴会があるのですが、さすがに担いでいないウチは遠慮しました。

いやもう楽しかった!3日間、夢のようでした。担いでいない私がそんな感じだから、担いだ人たちはもうトランス状態だろうなー。


息子も楽しんでたみたいだし、将来りっぱな担ぎ手になってくれることを期待しつつ、次回の自分の参加は体調と相談して決めようと思います。

水掛けのときのあの一体感は何だったんだろう。深川という下町風情がなせる業なのか?
いや違う。人は、そもそも祭りが好きなんだ。普段は無表情で通勤電車で揺られていても、こういう非日常の場で解放されてひとつになることを望んでいる。

そのための装置が神輿であり、水掛けであり、花火であり、出店であり、お祭りという行事なんだろうな。

コロナ禍で忘れかけていた人の本来の性というものを、改めて認識した3日間でした。

終り

東京文化LC L内田晋太郎