東京文化ライオンズクラブのL内田です。
今回は、去る8/13(日)に開催された深川八幡祭りの体験記をお送りします。
深川八幡祭りは、毎年お盆の真っただ中に開催されるお祭りで、約380年の歴史を誇り、神田祭、山王祭と並んで江戸三大祭に数えられています。
特に3年に一度行われる「本祭り」では、深川地区の各町会の神輿約50基が富岡八幡宮前に勢ぞろいし、半日を掛けて約8キロを練り歩くという「連合渡御(とぎょ)」が行われ、とてつもない規模のお祭りになります。
江戸時代には神輿の巡行ルートである永代橋にあまりにも多くの人が集結して、永代橋が崩落したこともあったとか。
コロナ禍により本祭りとしては6年ぶりの開催となった今年、深川住民歴の浅い私も初めて身をもってこの迫力を体験いたしました!
そもそも「深川八幡」とは富岡八幡宮の別称ですが、富岡八幡宮といえば例の忌まわしい事件をご記憶の人も多いかも知れません。
宮司承継争いが日本刀による殺人事件にまで発展したあの事件です。
調べてみるとあの事件がちょうど6年前。
あんなことがありながらも八幡宮が変わらず地域住民の生活に根付いている様を見てきた私からすると、今回の本祭りは、事件の謹慎明け、コロナ禍明けの2つの意味で、みんな気合入ってるだろうなーと何となく感じていました。
今年のお祭りは、8/11(金・祝)、12(土)、13(日)の3日間で組まれました。
1日目の8/11は、各町会において子供神輿の町内巡行、夕刻から町会ごとに宵宮開催、
2日目の8/12は、各町会において子供神輿と大人神輿の町内巡行、
3日目の8/13が本祭りで、各町会集結の連合渡御、
という流れで、みっちりのお祭り感。
8/11の夜には江東花火大会も開かれるので、もうお祭りムードにドップリです。
私は初体験なのでとりあえず今回は神輿担ぎには参加しませんでしたが、深川生まれの息子には半被を着せて子供神輿に参加させました。
深川祭りの特徴は、別名「水掛け祭」とも言われるとおり、沿道の人が神輿と担ぎ手に向かって水を掛けまくることです。
これがいい!
町会が調達した2トントラックに水を張ってバケツで水を撒くのはまだ想定内。
すごいのは沿道の普通の民家の人たちが、ポリバケツやビニールプールに水を張って待ち構えていることです。
で、子供だろうがお構いなく水をかけるかける!子供はもちろん大喜び。炎天下なので熱中症対策にもなります。
あとウチの町会の特権は、町内に深川消防署があること。なんと消防車からも散水を受けられます!
そんな感じで1日目2日目は各町会ごとに盛り上がった後、いよいよ3日目の連合渡御の本番を迎えます。
当日は朝6:30に53の町会の神輿が富岡八幡宮前に大集結。壮観です!
八幡宮の前の永代通りは夕方まで完全封鎖!
7時の祝砲花火の合図と同時に、事前に決まっている順番(駒番)に従って神輿が渡御に出発します。
53基も神輿があるので、すべての神輿が出発し終わるまでに2時間掛かります。笑
当然この日は観衆の数もすごいので見るのも大変です。
で、やっぱりここは水掛け祭り。消防車はさすがに出動しませんが、各町会の消防団が散水栓からホースを引っ張って水を撒く撒く!
ワッショイの掛け声に交じって、観客の歓声とも悲鳴ともつかない声が響き渡ります。
ある動物病院ではドクターとスタッフが総出でバケツとホースを持って神輿をお出迎え。マンションのベランダからホースで水をまく人もいる。公民館の前では和太鼓の少年団が神輿を励まします。それに対して担ぎ手は、神輿を高く持ち上げたり、回転させたりする技で応えます。
水を掛ける人も掛けられる人もビショ濡れ。沿道のお客さんもビショ濡れ。交通整理の警官もビショ濡れ。でもみんな笑顔!
いやー、最っ高!何なんだろ、この一体感。祭りってこんなに楽しいものだっけ?
8キロの巡行は5時間以上かかるので、いったん帰宅して昼食を取った後、一番神輿が八幡宮に戻ってくるのを見届けようと再度出発。
もう昼過ぎなので永代通りはもの凄い観衆です。八幡宮の周りは出店もいっぱいで「ザ・お祭り」な状態。
人ごみを掻き分けて水かぶりながら、やっとこさ最後の宮入りを少し見れました。
で、ここでも担ぎ手は白装束の神職から水を掛けられる。笑
ん?水掛けはひょっとしてここから由来しているのかな?
と、そんなこんなで連合渡御は無事に終わっていきました。
その後も各町会に帰ってから神酒開きと宴会があるのですが、さすがに担いでいないウチは遠慮しました。
いやもう楽しかった!3日間、夢のようでした。担いでいない私がそんな感じだから、担いだ人たちはもうトランス状態だろうなー。
息子も楽しんでたみたいだし、将来りっぱな担ぎ手になってくれることを期待しつつ、次回の自分の参加は体調と相談して決めようと思います。
水掛けのときのあの一体感は何だったんだろう。深川という下町風情がなせる業なのか?
いや違う。人は、そもそも祭りが好きなんだ。普段は無表情で通勤電車で揺られていても、こういう非日常の場で解放されてひとつになることを望んでいる。
そのための装置が神輿であり、水掛けであり、花火であり、出店であり、お祭りという行事なんだろうな。
コロナ禍で忘れかけていた人の本来の性というものを、改めて認識した3日間でした。
終り
東京文化LC L内田晋太郎
臨場感あふれるコメントに法被着て同こうした気分です
パソコンの前でワクワクしています