国立科学博物館で開催中のミイラ展をご紹介いたします。
今回の展覧会紹介、なんと!写真はございません。
といいますのも、ミイラはミイラ化しているとはいえ、そこにあるのは、かつて生きた者であり、ご遺体、あるいは死体でありつつも、しかしながら、文化によっては生者でもあるという不思議な対象ですので、写真撮影はNGでした。
かつて一生懸命に生きていた自分と同じ存在が、ミイラになっている。その生々しい身体に、何か見てはいけないものを見ている気がして不思議な感覚を覚えました。
とはいえ、SNS全盛期の時代ですから会場内でも二箇所、写真撮影可能なコーナーがあります。第一会場の最後の方に、自分をミイラにできるカメラがあり、そこで加工をするとオリジナルミイラ写真を作ることができます。
実際にやってみたのがこちら。
髭の生えたミイラの出来上がり!
さて、展示の全体は4章で構成されております。
第1章 南北アメリカのミイラ
第2章 古代エジプトのミイラ
第3章 ヨーロッパのミイラ
第4章 オセアニアと東アジアのミイラ
数あるミイラの中でも、今回一番、心に残ったのは第4章 オセアニアと東アジアのミイラにある江戸時代の本草学者のミイラです。自分でミイラ化を研究し、実際に自分で命あるうちに穴に篭りミイラとなったのです。天然の即身仏のように、座る手には数珠を持ち、首を垂れて、穏やかに佇んでいます。
展示ケースをかがむようにして、右の方から見ると、その生々しい顔に戦慄を覚えます。あたかも生きているような、柔らかい表情に、呆気にとられました。仏の笑顔にすら見えてきます。
このミイラは、遺言に「後世に機会があれば、掘りだしてみよ」と伝えていたそうで、第二次大戦後、この本草学者のご遺族がお墓を移転させようとしたときに、発見されました。
特別展ミイラ「永遠の命」を求めて、ウェブサイトより引用
第一会場から第二会場への間にも写真のスポットがあります。エジプト式のミイラの棺の中に入ってポーズをとることができます。
お土産コーナーには。可愛いミイラグッズがたくさんあります。
ミイラのガチャもありました。
一見すると不気味なミイラでしたが、かつて生きていた者たちの人生を思うと、自然と不気味さが消えていきます。ミイラを見つめながら、自分自身の限りある生をもっと謳歌しようと思いました。死を見つめることは、生きることを見つめることなのかもしれません。
ぜひ、芸術の秋にミイラ展をご覧ください。人生が豊かになる気がします。
詳細はこちらから
http://www.tbs.co.jp/miira2019/highlight/
開催概要
会期 | 2019年11月2日(土)〜2020年2月24日(月・休) |
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会場 | 国立科学博物館(東京・上野公園) |
開館時間 | 午前9時〜午後5時(金曜・土曜は午後8時まで) 11月3日(日・祝)午後8時まで 11月4日(月・休)午後6時まで※入場は各閉館時刻の30分前まで |
休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日) および12月28日(土)〜1月1日(水・祝) ただし2月17日(月)は開館※開館時間や休館日等は変更になる場合があります。 |
主催 | 国立科学博物館、TBS、日本経済新聞社 |
共催 | BS-TBS、凸版印刷、ローソンエンタテインメント |
後援 | TBSラジオ |
協力 | ルフトハンザ カーゴ AG |