2019年9月10日(火)から開催されております、「風景の科学展 芸術と科学の融合」展に行ってまいりました!
本展は、写真家・上田義彦さんが撮影した写真に国立科学博物館の研究者が解説し、その風景に関わりのある対象物を一緒に展示するという、一風変わった展覧会です。
解説の多くが風景の一部に物質に焦点を当てて開設されており、研究者はそんなところに注目しながら世界を見ているのか、と勉強になりました。目の前にある風景のみならず、そこにかつてあった時間の流れや、目に見えないものの、今も力強く胎動するエネルギーを紹介しているものもあります。剥製や、骨、葉っぱ、石、木、砂、そこに見えずとも映り込むモノたちにスポットライトが当てられています。
雄大な山脈の風景を見た時に、石のことに想いを馳せることはこれまで一度もありませんでした。
言われてみれば、確かに、そこに山があるということは大きな地学的な動きがあったからこそなんですよね!
柿の写真で柿が展示されているのは、わかりやすい展示でした。しかし、柿について、自分がどれほど知っているかというと話は別でした。味は知っているものの、柿を植物学的に考えたことはなかったので、これもまた新鮮な体験でした。
こちらの写真では、その写真に映り込む人々の文化について植物を通じながら考察されています。
ゾウの頭部の骨!!!迫力があります。
人類の祖先が最後に見た風景。そこにかつていたご先祖様がしのばれます。。。
美術の歴史には、アレゴリーの読み解きというものがあります。鑑賞者に抽象概念を端的に伝えたい時に具体物を描くというものです。例えば、狡猾、ズル賢いということを意味したい時には蛇や狐を表現するといった類いのものです。
美術史家が作品を見るときの視点と同様、研究者が芸術作品を見つめる時の脳の中を覗き見することができたようで不思議な感覚を覚えました。ひとりで鑑賞をしていると、自分のものの見方で凝り固まってきますが、たくさんの研究者の視点で頭の凝りがほぐれました。
1つの解釈のみを正しいとする科学と多様な解釈を許容するアートが共存する、楽しい展覧会でした。
写真を見るだけでも楽しい展覧会となっております。
12月1日(日)まで開催中ですので、上野にいらっしゃった際にはぜひお気軽にいらしてください!
ライオンズの皆さんには、ライオンズの視点があるのかもしれませんね!
<開催概要>
2019年9月10日(火)~12月1日(日)
国立科学博物館 日本館1階企画展示室
〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20[開館時間]午前9時~午後5時※金曜・土曜日、11月3日(日)は午後8時まで※10月31日(木)、11月4日(月・祝)は午後6時まで※入館は各閉館時刻の30分前まで[休館日]9月17日(火)、24日(火)、30日(月)、
10月15日(火)、21日(月)、28日(月)、
11月5日(火)、11日(月)、18日(月)、25日(月)[入館料]一般・大学生: 620円(団体: 500円)※2019年10月1日より一般・大学生630円(団体510円)
高校生以下および65歳以上: 無料
(常設展示入館料のみでご覧いただけます)