ヒストリーライオン『どうした家康・なにした家康』【えびすくい音頭の魅力に迫る!】

皆さんこんにちは!
東京文化ライオンズクラブと歴史探求団体「ヒストリンク」のコラボレーション企画
ヒストリーライオン『どうした家康・なにした家康』を配信いたします:)

今号の内容は
【えびすくい音頭の魅力に迫る!】と題しまして、
大河ドラマの中で登場するあの愉快で魅力的な踊りと
その踊りにまつわる各地の取り組みを紹介します:D
ヒストリンク代表の斎藤より、愛知県岡崎市でのとりくみの最新レポートもお届けします♪


読者の皆様は「えびすくい音頭」をご存じでしょうか?
大河ドラマ『どうする家康』をご視聴であれば「えびすくい」という単語にピンとくるかもしれません。
ことあるごとに劇中登場し、松潤家康に呆れられつつも家臣たちに踊られてきた賑やかな舞い。
瀬奈が亡くなったあとの「ぶらり富士遊覧」回では”闇落ち”した殿自らも披露して、
ジャニーズで鍛えた?体幹を活かしたキレッキレの踊りを披露して話題になりましたね。
実はこの愉快な踊りはドラマの完全な創作というわけではなく実際に踊られたことが記録として残されています。

○史実としての「えびすくい」
この踊りを始めたのは後に徳川四天王と呼ばれる重臣酒井忠次でありますが、
天正14年(1586)には家康が北条氏政を訪ねたときの酒宴で「忠次が海老すくいを踊った」という
逸話があるとのことです。えびすくいはどじょうすくいを彷彿とさせる珍妙な御座敷芸だったそうで、
新潟市には狂言のひとつとして「海老すくい」が伝わっていたとの紹介があります。
(出典:『庄内藩酒井家』,佐藤三郎)
また別の資料には天正3年(1575)三方ヶ原に敗れ気を落とす諸将のために
家康が忠次にえびすくいを命令したとの話も伝わっています。
非常に滑稽な踊りで家臣たちの気を陰から陽へと転換させたとのこと。
その他長篠の戦いの際に信長の前で踊った等々、ことあるごとに踊られていたのが「えびすくい」なのです。

徳川家康の家臣 酒井忠次が刀に込めた信念と決死のえびすくい
https://www.nhk.or.jp/shizuoka/lreport/article/002/67/

○現代の「えびすくい音頭」
そんなえびすくいが本来どのような型であったのかまでは現存していませんが、
今回大河ドラマに合わせて復活させたのが愛知県岡崎市の本多秀行氏。
最近NHKでも紹介され、愛知県を中心に話題沸騰中の「えびすくい音頭」であります。
氏によればこの歌は「陰と陽を意識して静かなパートと賑やかなサビ部分で磨かれ作られている」そうで、
大河劇中のえびすくいの動きとも矛盾が出ないよう工夫をして作られた曲とのことです。
岡崎ではQURUWA(くるわ)盆踊り会が中心となりこの曲を盛り上げていて、
今夏は岡崎の至る所で「えびすくい音頭」が披露されました。
筆者である私盆踊りDJ鈴木も上野不忍池の夏祭り(不忍夢)にてこの曲を踊らせていただいたき、
そちらのご縁で「江戸ー岡崎」の”盆踊り交流”も開始されることになりました。

参考動画:うえの夏まつり不忍夢(しのばずのゆめ)2023年7月22日
https://x.com/bonDsuzuki/status/1682762446300397570?s=20

○”酒井忠次”からみたえびすくい音頭
最後に、各所で酒井忠次を演じている皆様からみた「えびすくい」話を拾遺します。
先日山形県鶴岡市で行われた大河トークショーでは忠次役の大森南朋さんが
「どうなの忠次」という質問コーナーでえびすくい秘話について熱く語っていたそうです。
こちらがどんな内容だったのか…激しく気になります。
また、本誌おなじみ岡崎市公認の大河応援コミュニティ「どうする岡崎家臣団」の
ファンミーティングでは葵武将の忠次公も降臨され、
その際には「おとこ踊りは海老の気持ち、おんな踊りは掬う側の気持ちで踊るとよい」
というアドバイスを頂きました。

大河コミュニティでは音頭制作者の本多氏とも連携しながら、
年末の紅白出演を目指そう!という動きも起こりつつあり、
今後ますますの人気沸騰が予想される「えびすくい音頭」
YOUTUBEにて踊り動画が確認できるのでライオンの皆様も是非一度ご確認いただけたらなと思います:D

【ライオンズ×歴史団体ヒストリンクのコラボレーション企画の進捗共有】

ヒストリンクの齊藤太一と申します☆
9月も、ヒストリンクで関わらせていただいた徳川関連のイベントが複数ありました!その一部をレポートさせていただきます。
2日には、「どうする岡崎家臣団」(ヒストリンク企画協力)という約120人がメンバーとなっている歴史や岡崎、大河ドラマのファンコミュニティのオフ会がありました☆
衝撃の徳川家臣団からの出奔が話題となった石川数正で有名な石川家の子孫・石川英昭さんをお呼びし、岡崎城の一帯ででランチ懇話会や大河ドラマ館の見学などを満喫しました^^
家臣団メンバーが交流を深め、武将隊の演武などを満喫しました!

3日にはJR東海さんの旅行キャンペーン「どこ行く家康」の一環の講演会が開催。「どうする家康」の古文書考証をしている大石泰史さんをお呼びしての講演会・岡崎大河ドラマ館ツアーで、ヒストリンクは講師派遣サービスで大石さんを仲介・紹介し、関わらせていただきました♪

15-16日の講演会企画・歴史ミーティングおさざきの陣でも、河合敦さん、大石さんの出演に関わらせていただきました☆
徳川・歴史を通したまちおこしに引き続き、関わり続けてまいります^^
読者の皆様にも、徳川や歴史関連の講演会やトークショーの開催、パンフレット、創作物作成の際はご協力できるかも知れません!^_^
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
【参考リンク】
https://x.com/histlink/status/1698303277614702794?s=46&t=ImeothugGCqt35k18MUrLw



【☆ヒストリーライオンでは質問も募集しております】
今回のレポート・特別篇はいかがでしたでしょうか?
歴史や地理に興味のあるライオン同士で繋がりましょう!
本メルマガでは歴史好きにとって興味深いトピックも詳しく解説していきます。
(例:長篠の戦い、神君伊賀越え、関ケ原などは大注目!)
歴史に興味がある・これから学びを深めていきたい…といった歴史情報に注目されている方がいましたら、
ぜひメルマガの感想をいただけますと嬉しく思います♪
大河ドラマを見ていて疑問に思ったことなども、なんでも質問いただけましたら調査致します。
歴史好きな皆でぜひ交流を深めていきましょう。
よろしくお願いします♪

【ご参考】
☆どうする家康HP
https://nhk.or.jp/ieyasu/
☆ヒストリンク
https://historyenjoy.com

えびすくい音頭 公開練習風景
https://www.youtube.com/watch?v=jX4MrJPdTwg

「えびすくい音頭」で市民ら盛り上がる 愛知県岡崎市の盆踊り大会 (23/08/12 07:22)
https://www.youtube.com/watch?v=UVJYT0XB5tk

【文責】
東京文化ライオンズYCE委員会・地理歴史研究班所属、鈴木慎平
協力:徳川家を楽しむ会(歴史研究者とのマッチングサービス)
連絡先:yanaka.labo@gmail.com
歴史団体ヒストリンク・歴史を楽しむ会 代表 斎藤太一
連絡先:http://histlink.pro.fan@gmail.com

【アクティビティ訪問】〜心・技・体を鍛える〜東京秋葉原ライオンズクラブ

柔道、剣道に代表される日本の武道は心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、社会の平和と繁栄に寄与する人間形成の道です。本大会は、子供達の掛け声と、父兄の歓声に包まれる中、見応えのある大会となりました。

◾️第38回八署対抗少年柔剣道大会について

日時 令和5年 9月 18(日・祝) 敬老 の 日

時間:午前 10時 30分 か ら午後 2時 50分
場所:中央 区立総合スポーツセンター
主催:東京秋葉原ライオンズクラブ
共催: 東京柳橋ライオンズクラブ、東京鳥越ライオンズクラブ、東京数寄屋橋ライオンズクラブ
協賛:警視庁浅草署 (幹事署)、蔵前、久松、万世橋、築地、中央 、上野、下谷 各警察署

⚫︎目的

本大会設立は柔剣道 を通 じて、少年たちに 自分の役割 、忍耐力及び道徳性 を養いつつ、社会の規律 、モラルに従う気持ちを育て、非行のない明るい街づくりに寄与しようとするものである。

⚫️歴史・歩み

昭和 56年 10月 、東京秋葉原 ライオ ンズクラブが地域社会の少年たちの健全な育成を図るため、万世橋署・久松署・蔵前署の 3警察署の協力により三署対抗少年柔剣道大会を開催したのが始まりである。

翌年、この趣旨に賛同した築地署・下谷署・浅草署の3警察署が加わり六警察署に拡大した。

さらに、昭和 60年には上野署・中央署の2警察署が加わり、今日の8警察署による少年柔剣道大会の礎が出来上がる。

以降、千代田区・中央区・台東区を管轄する上記8警察署 において柔剣道を愛する多くの少年少女が参加し、八署対抗少年柔剣道大会を開催する。

毎年、各警察署が当番を持ち回り、原則として、9月の下旬の休日を利用して本大会は開催される。小学1年から中学 3年の各学年にて柔道、剣道の各々優勝を目指してトーナメント戦、総合優勝を目指して団体戦が実施される。

⚫️令和5年度 第 38 回少年柔剣道大会の概要

9月18日「敬老の日」の休日、場所は浜町の中央区立総合スポーツセンター。

当日は朝早くから、各警察署の関係者、ライオンズクラブのメンバー等で大会の準備作業に取 り掛かる。 

今大会は、参加者の少年少女選手が101名、付き添いのご父兄が約100名、警察関係者が約50名となり、広いスポー ツセンターの道場が狭く感じられる程の人混み、盛況であった。

開会挨拶の後、東京秋葉原ライオ ンズクラブ会長、実行委員長 の挨拶と続き、

御来賓の今大会 当番署である築地警察署の署長に御祝辞を頂いた。

その後、柔剣道師範による模範演武、優勝旗返還、選手宣誓と続 き、柔道、剣道がそれぞれ に試合会場を異にして別れ、熱戦が展開された。

試合後、各警察署より推薦されている成績優秀者、また学年毎の優勝、準優勝全員に対してライオンズクラブメンバーから表彰状と記念のメダルの授与が行われた。

さらに団体総合優勝の表彰も行われ、今大会も盛大に成功裡の内に終了した。

昭和56年に始まり、回を重ねる度に関係者による大会認知度も高まり、大会は少年たちにとつては常日頃の道場での鍛錬の成果を発揮出来る最高の機会となっている。

東京秋葉原 ライオンズクラブの積極的奉仕活動により、第1回大会以降一度も大会が中止・延期になること無く今日まで毎年開催され今日に至っている。

東京秋葉原 ライオンズクラブメンバー全員が大会設立の原点に立ち返り、厳しい台所事情に も拘わらず、これからも奉仕活動を続けて参ります。


東京秋葉原ライオンズクラブ
L 川又美由喜

文化リレーコラム・Mature紀行②ロンドン塔

ロンドンといえば夏目漱石が「倫敦塔の歴史は英国の歴史を煎じつめたよなものである*」と語っています。ゆえに私は心して訪れてみました。11世紀に要塞として建てられ、後に王の居城にして、そして牢獄としても使われたといいます。とはいえ倫敦塔の威容をお伝えするのはとても難しいものです。今回はその歴史を少しでも煎じていただけますように、絵画や小説などとあわせてMature紀行をお届けします。

 シェイクスピアによって極悪人として登場するリチャード3世には諸説あります。ただし世継ぎの王子とその弟をロンドン塔へ連れ込み自らが戴冠したことは事実です。その少年たちはロンドン塔から消えました。絵画の中で兄弟は話しているようです。

兄:『命さえ助けてくるるなら伯父様に王の位を進ぜるものを』

弟:『母様に逢たい』*。このとき、とても醜く、びっこのリチャード3世は「そばを通れば犬もほえる」の噂そのもの、子犬がその陰謀を物語っています。

◾️1831年/『ロンドン塔の王子たち』ポール・ドラローシュ

ルーブル美術館所蔵:筆者撮影

「英国の歴史を読んだものでジェーン・グレーの名を知らぬ者はあるまい。またその薄命と無残の最後に同情の涙を濺がぬ者はあるまい。​​​」*

親族の野心のために倫敦塔で処刑されたジェーングレイは16歳、「九日間の女王」と呼ばれています。ロンドンナショナルギャラリーのこの作品はなんと、ほぼ等身大でじっくりと語りかけてきます。その美しさ、切なさ、恐ろしさ、見入るうちに鳥肌が立ってきました。死刑執行のサインをしたのはブラッディメアリことメアリー女王、英国の歴史と芸術の極致を味わったような気がしました。

◾️1833年/『レディ・ジェーングレイの処刑』ポール・ドラローシュ

ロンドンナショナルギャラリー所蔵:筆者撮影

名作をかみしめながら灰色の壁を通り抜けるとビーフイーターが観光客を集めていました。ビーフイーターとはこの塔の番人のことで今ではツアーガイドの役目をこなす人気者です。すこし陰気な塔内を明るくもてなしてくれます。「塔のシンボル、天守閣をホワイトタワーと呼ぶのはマーケティング戦略さ」と観客を笑わせます。

◾️ロンドン塔とビーフイーター(パンフレットより)

その横にひっそりとあるExecution memorial。これがあの・・・アンブーリンの処刑の跡地。思わず息を飲んでしまいます。英国史に燦然と輝くエリザベス1世の母親がここで処刑されたのです。

1861年ビクトリア女王がロンドン塔を訪れアンブーリンの物語に感動しこの地をメモリアルとするよう命じたと(Excution Memorialより)。その頃から歴史的建造物としての性格が濃くなり世界遺産に指定されたそうです。

◾️アンブーリンの処刑台跡:筆者撮影

◾️アンブーリン:Plauqe of Excution Memorial.

This sculpture marks the spot where Queen Anne Boleyn was thought to have been executed.

夏目漱石は「塔の見物は一度にかぎる」とかいています。英国の歴史は

おそろし過ぎるのです。そして英国人はあの凄まじい内乱を薔薇戦争と呼び、あの真っ赤なカクテルをブラッディメアリと呼び・・英国文化はよくやるもんだと思っていました。とはいえ現代のビーフイーターのジョークのセンスですこし理解できた気がしました。

◻️おもな参考文献

*「倫敦塔」(夏目漱石・青空文庫)

東京文化ライオンズクラブ

L城戸正幸