ル・コルビュジエの建築作品として世界遺産にも登録されたことで有名な国立西洋美術館が大幅に回収され今年の4月9日にリニューアルオープンとなりました。
前庭の緑がほぼなくなり、スッキリした印象です。ロダンがお尻を通路側に向けていますが、これが当初の設計の意図を組んだものらしいです。はじめ覆いが取れたときにお尻が通路側を向いていてびっくりしました。
緑の植栽は少なくカレーの市民の一部に使われている程度で、空間が広くなったように感じました。柵が前よりも威圧感が減り、公園との一体感が感じられるようになりました。よくよく見ると、西洋美術館のロゴマークが連なっているようにも見えてきます。
全体的に大幅リニューアルしたということでしたが、大きな変化はそれほど感じませんでしたが、私の中でも大きな変化と思えたのは、これまで有料エリアだった「19世紀ホール」が無料開放されていることでした。ロダンの彫刻や建物の模型が配されたコーナーで開放感と天井から入る淡い光を感じられる空間が無料なのはとてもいいことだと思いました。ル・コルビュジエのアイデア「無限成長美術館」を反映している場所です。
全体的に飾られている作品に関しては、これまでと大きく異なる変化は感じませんでしたが、新しく収蔵された作品が回廊に加わっていたのが新鮮でした!
しかしながら、改修期間中、回廊に堂々と並ぶ西洋美術の珠玉の作品群を一望できる展示室にふらっと立ち寄れなかったのはやはり寂しかったです。それがこうしてすぐに見られるようになったのは大変ありがたいことです。
大きく変わっていたのは、展示室の最後の部屋です。現在、「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ― 大成建設コレクションより」が開催されておりますが、ブラックやミロ、ポロックの作品があった場所に、コルビュジエの作品がずらりと並んでおりました。コルビジュエというと建築で有名ですが、絵画も描いていたのはあまり知られていないエピソードです。大型作品の他にも素描なども展示されています。
6月からは国立西洋美術館リニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の協力の下、自然と人の対話(ダイアローグ)から生まれた近代の芸術の展開をたどる展覧会が開催されます!ファン・ゴッホが晩年に取り組んだ風景画の代表作《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》がドイツより初来日となります!
マネ、モネをはじめとする印象主義からゴッホ、ゴーガン、セザンヌをはじめとするポスト印象主義を中心にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画までの100点を超える絵画や素描、版画、写真が一堂に会します。近代における自然に対する感性と芸術表現の展開を西洋絵画の巨匠たちの競演による多彩な自然描写から味わえる展示です!
ぜひ常設展と共にお楽しみください!
東京文化LC L一ノ瀬健太