#0 スポーツ観戦にこんな視点
一周年を迎えた当クラブは今年も文化を積極的に発信していきたいものです。2020といえばスポーツ、そこでもやはり日本文化は伝えたい。
その中で最近注目しているのは「大相撲国際化の議論」でありこれは有識者を中心に4回ほどの会合が行われている。
◆第3回の議論ではこうである(読売新聞2019.10.11)。国際化という観点で日本固有の武道である柔道と剣道を比較。柔道は世界に広めるためにルールなどを変化させ、剣道は国際的な普及は限定的だが固有のルールや伝統を守っている。未来を考えれば、剣道が向かった道で大相撲の国際化を理解すべきでないか、というのが大方の委員の意見だった。
◆私が学んでいる剣道を海外の方に紹介する際に必ず伝えていることは”discipline for self-cultivation rather than mastering technique”ということ。これはとても理解されやすいと実感している。例えば審判の判定に抗議すること自体がとても少ない、もちろん「ビデオ判定」さえもない。このような哲学を誰に広めるのか。
各武道団体がビジネス、ツーリズム、教育、文化啓蒙それぞれのステークホルダーときちんと対話していくことを支援したい限りである。
◆市井の剣道の先生方の誇りは素晴らしい。伝えるべきことは多い。“remain the concentration on the winning moment”。きちんと礼をするまでの残心。ガッツポーズは言語道断。そして”considerations for the opponents”。そうはいってもなかなか難しい。
このような視点でスポーツを観戦するのも密かな楽しみ。学生時代には思わずポーズを決めた、すると先生、先輩に怒られた。有り難い教えである 心の底から感謝している。
東京文化LC通信デスク:Massan
・コミュニケーション会社勤務/上級ウェブ解析士
・趣味/全国通訳案内士/芸術鑑賞/剣道(七段)
伝えたい文化のこと。
みなさんとリレーコラムはじめます。