YCE シリーズコラム Bridging Cultures #1 寺子屋キャンプ

来日生18人の夏、12日間のTOKYO2025は池上本門寺からスタートしました。遊びたくて仕方がないといった生徒たちにも『本キャンプは観光旅行ではなく、異国の文化を学び相互理解を育むたのめ国際教育プログラムの一環です。」とあらためて、あえてスタートしました。結果なにが始まるのだろう、とより好奇心に火をつけたように思えました。そしてCampコンセプトは大きく「Showcase Of Japanese Culture」とし、東京でのキャンプ開催の意義を共有しました。本キャンプは「寺子屋キャンプ」「上野キャンプ」「メインキャンプ」3部構成となっておりそれぞれ中身も濃いためひとつづつシリーズご紹介します。

⬜︎お経の音色、太鼓の響、線香の香 そして蝉の声

日本の教育の原点は江戸時代、庶民の子供達さえもお寺で「読み書き」を習っていたというすばらしい歴史にあります。お寺の醸し出す情緒感の中には「我が身をただす」といった感覚があり、西洋人もそう感じているように思えます。連日の朝5時からのお経に脱落者もなく、そんな心配をよそに、お経の音色、太鼓の響、線香の香りに自我を研ぎ澄ましまさしくマインドフルネス、そしてミニリサイタルでも聞くような恍惚感も味わっているようでした。西洋人にとって普段は蝉の声はせわしい存在のようですが、ここにくるととても心地よく感じたそうです。

⬜︎学びの多いものとなりました。

・なぜ朝早くからお経をあげるの?「それはキリスト教で日曜に教会でお参りするようなことです。仏教では毎朝お経を唱えることで、日々の命に感謝を申し上げているのです」そしてすばらしい1日を迎えられるよう努力をする誓いの場でもあるそうです

・お焼香は何のためでしょう?「それは、お祈りと共に線香の尊い香りを神様や仏様にとどけているのです。」と僧侶の方が落ち着いた口調で語ると外国人にもよく伝わったようです(言葉はわからなくても)。この世とあの世をつなぐんだということを理解していました。

・写経はなぜ口で紙をかむのでしょうか?「それは息を直接お経の文字に吹きかけないためです。お経の文字自体が神様の化身だと考えられているからです』と。やってみると長い静かな息になり心も落ち着くように感じました。

⬜︎ハイライトは伝統文化と現代マジック

いわば時間と空間を旅しながら、現実と幻想の旅をする。そんな素敵な旅にをマジシャン瞬時Lが生徒たちを連れて行ってくれました。まさに奇跡のようなマジックが今回も生徒たちを虜にし、言葉の壁を完全に超えました。空の上から尊いBuddhaも驚いているのか、いやいや全部お見通しなのか。デジタルは2000年前からお見通しさ・・、など。いずれにせよ生徒たちを暖かく見守ってくれていると実感しました。さらに詳しくは瞬時Lの記事でお楽しみください。

ここだけの必見は「消える水」の特別動画です。消える水 (8月中のみ公開)

330-A地区 YCE委員会 

委員長 L城戸正幸

【白耳義(べるぎー)物語 その11】

東京文化LCのL木村です。
音楽院の試験もすべて終わり、バカンスに入りました。
無事に全単位を取ることができ、9月から修士2年生となります。
バカンスとはいっても、7月後半は南フランスでのフェスティバルに出演し、ビゼー作曲のオペラ「真珠採り」のズルガ役を歌ったり
(https://autourduventoux.com/les-artistes-2025)、
8月は一時帰国して大分や東京でコンサートがあったり、8月中旬にベルギーに戻ってからはマルメディでのフェスティバルで同じく「真珠採り」のズルガ役や、9月〜10月に向けてのオペラのリハーサルが再開したりと、音楽院が始まるまでなかなか忙しい日々を送る予定です。

そんな中、少しはバカンス気分も感じたいと一週間ほどイタリアに行ってきました。
イタリアは大学3年生だった10年前、初めて訪れたヨーロッパの国で、また訪れることができて嬉しかったです。
今回はトリエステ・ヴェネツィア・ボローニャを訪れたので、その土地の名物料理と共に振り返っていきます。

まずはイタリア北東部のアドリア海に面した街、トリエステに行きました。


第一次世界大戦までは長らくオーストリア=ハンガリー帝国の統治下にあったようで、スロベニアの国境に面した都市でもあり、イタリアとはいえ色んな文化が混ざった街並みだと感じました。
丘の上にあるサン・ジュスト大聖堂はゴシック構造の窓が美しかったです。


夕暮れ時のアドリア海は心に残る光景でした。


そんなトリエステの名物料理は「カルダイア」という豚肉の色んな部位の煮込み料理です。特にタンの煮込みは絶品でした。

次にヴェネツィアに行きました。


水の都として世界的に有名な観光都市で、多くの観光客で賑わっていました。
ここは10年前に一度訪れており、ヴェネツィアのシンボル的なリアルト橋はその時も渡ったのをよく覚えていました。


また、前回は行かなかったヴェネツィアの湾にある「ブラーノ島」を訪れました。


カラフルな街並みが特徴的で、レース編みの製品が有名です。
ヴェネツィアでは「イカ墨スパゲッティ」を食べました。


見た目はインパクトがありますが、味は本当に美味しいです。

今回のイタリア滞在のラストはボローニャでした。


こちらも10年前に行きました。
オレンジ色の街並みで、ポルティコという屋根付きのアーケードが色んなところにあります。
サン・ペトローニオ聖堂というヨーロッパでも有数の大きい教会に行きました。


またせっかくイタリアに来たら歌のレッスンも受けたいと思い、ボローニャ在住の世界的に活躍しているバス歌手の方のレッスンを受けることができました。
とても良い学びとなりました。
ボローニャ近くに藝大時代の同級生が住んでいるため、おすすめのレストランに連れて行ってもらいました。
ボローニャといえばボロネーゼ。


お店の手打ちのパスタで、食感も最高でした。
イタリアはふらっと入ったカフェのエスプレッソや、ジェラートなど食べたものすべてが美味しく、イタリア料理の奥深さを堪能しました。

イタリアでパワーを養ったので、ここから続くコンサートやオペララッシュも頑張れそうです。


それでは次回もどうぞお楽しみに!

声楽家
L木村雄太

マジックは国境を越える!YCE異文化体験日記

こんにちは。東京文化ライオンズクラブ “UberArts委員会” のL磯﨑です。
「マジシャンの瞬時」と言った方が、イメージしやすい方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、ライオンズクラブYCE委員会が受け入れている交換留学生の皆さんに向けて、日本のエンターテインメントとしてマジックを体験していただく機会をいただきました。
会場は池上本門寺の宿泊施設。参加者はアジア・アメリカ・ヨーロッパなど世界各国から来日した約18名の大学生を中心とした留学生たちです。

きっかけは、YCE委員会の会長である城戸Lが東京文化ライオンズクラブのメンバーであり、「せっかく日本に来ている海外の若者たちにパフォーマンスを届けたい」というお声がけをいただいたこと。こうして、私がパフォーマンスを担当することになりました。

当初は30分ほどの予定でしたが、当日になってまさかの2時間ショーに!
休憩を挟みながら、トランプマジックやフォーク曲げ、水を消すマジック、全員で手をつないで行う不思議な現象、そして誕生日から導き出す“奇跡の数字”など、さまざまなプログラムを展開しました。

印象的だったのは、最初は少し緊張気味だった留学生たちが、マジックが始まると一気に表情が変わったこと。
驚きの声や笑い声があがり、積極的に動画を撮影したり、「やってみたい!」と手を挙げたりする姿がとても印象的でした。
中には「このマジック、どうやってるんだ?」と挑戦してくれる参加者もいて、まさに国境を越えた交流の場となりました。

終了後には、城戸会長から
「英語での進行だったので安心してお願いできました。とても良いパフォーマンスでした」
と嬉しい言葉をいただきました。

今回のご縁をきっかけに、今後も毎年、交換留学生プログラムに関わっていきたいと思っています。さらに、いつかは海外でのライオンズ活動にも参加し、国際的な文化交流の輪を広げていけたら嬉しいです。

文化の力で心をつなぐ、そんな活動をこれからも続けてまいります。
もし皆様の周りで国際交流イベントやパフォーマンスの機会がありましたら、ぜひお声がけくださいませ。

東京文化ライオンズクラブ “UberArts委員会”
L瞬時(磯﨑一洋)