【白耳義(べるぎー)物語 その9】


東京文化LCのL木村です。

この一ヶ月は色々なコンサートに出演しました。
その合間で音楽史や法律などの音楽院の後期試験も始まり(今のところ、どの試験もなんとか無事に合格しています!)、なかなか忙しい日々を送っています。

まずは4月20日、リエージュの文化センターにて、アペリティフ・コンサートに出演しました。
以前も出演したシリーズで、今回はビゼーのオペラ「真珠採り」の抜粋を歌いました。
セイロン島の漁師たちのお話で、自分はテノール歌手と共に、有名な二重唱「神殿の奥深くで」を歌いました。

この二重唱は、かつて一人の美しい女性を巡って争ったナディールとズルガという漁師が再会し、過去のことは水に流して友情を誓い合うシーンです。
7月には南フランスのフェスティバル、8月はベルギー・マルメディのフェスティバルにて、同じメンバーでほぼ全幕を上演するので楽しみです。

また、5月9日・11日はフォーレ《レクイエム》のバリトンソロを歌いました。
5月9日はリエージュから近い街、ビゼの教会で、


5月11日はベルギーのドイツ語圏、ユーペンの教会での公演でした。


フォーレのレクイエムは、数あるレクイエムの中でも一番好きな曲で、バリトンソロを務められてとても嬉しかったです。
特にビザでの公演は、レクイエムの演奏開始が21時過ぎだったこともあり、教会のステンドグラスから差し込む光が徐々に陰っていく光景が印象的でした。
自分の歌った「Libera me」でのソロの模様をお届けします。
是非お聴きください。
https://x.com/yutakimkim810/status/1921641335703887902?s=46&t=lp2iioeg2IBjNtydIEdCeg

そして、5月14日から18日は「ナミュール室内合唱団」のメンデルスゾーン「ワルプルギスの最初の夜」のプロジェクトに参加しました。
ナミュール室内合唱団のコンサートにメンバーとして出演するのは昨年10月のベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」、今年2月のマーラー「復活」のプロジェクトに引き続き三回目です。

今回の日程は
5/14: ベルギー・ナミュールでリハーサル
5/15:パリでリハーサル
5/16:パリでリハーサル
5/17:ベルギー・ナミュールでコンサート
5/18:フランス・トゥルコアンでコンサート
というハードなスケジュールでした。

今回共演したオーケストラ「オケ、レ・ザンバサドゥール~ラ・グランド・エキュリ」がパリを中心に活動しているため、リハーサルは運良くパリで行われました。(自分は今回が初パリでした!)

初めてのパリ北駅に興奮し、



セーヌ川沿いの特徴的な建物、「ラ・セーヌ・ミュージカル」で充実したリハーサルが行われ、


リハーサルの合間にはラ・セーヌ・ミュージカル内のレストランで、セーヌ川に臨んだテラスで美味しいランチを食べるという良い時間を過ごしました。

今回のプログラムは前半が有名なメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、後半が自分たちが参加する「ワルプルギスの最初の夜」というオール・メンデルスゾーンプログラムで、特にワルプルギスの方は初めて聴く曲でしたが、濃密な素晴らしい音楽でした。

ナミュールの方はグラン・マネージュというモダンなホールで、舞台後ろには月が投射されていました。

トゥルコアンはレーモン・ドゥヴォス市立劇場という歴史を感じさせるホールでした。

ナミュールでのコンサートの写真には自分もバッチリ写っています。

このワルプルギスのプロジェクトは来月にスイス・ジュネーブでのコンサートが予定されています。
ジュネーブも初で、コンサート前日入りなので観光も楽しみたいです。

最近は自分の住んでいる街、リエージュにトラム(路面電車)が走り始めました。


10年近く工事をしてて、待ちに待った運行開始とのことです。
リエージュの駅やオペラ劇場にグッとアクセスがしやすくなりました。


それでは次回もどうぞお楽しみに!

東京文化 L木村