
東京文化LCのL木村です。
1月は音楽院の試験期間真っ只中です。
フランス語の筆記による音楽史の試験、比較芸術史のフランス語での口頭試問、副科のピアノの試験、また音楽院とは別に通っている語学学校のフランス語の筆記、リスニング、会話の試験などなど…。
これらの試験はすでに受け、残すところは重要な声楽の実技試験のみとなりました。
学科の方は音楽史にしても、比較芸術史にしても、まず「フランス語で」という前提があるので、フランス語で作曲家の生涯や作品の解説を覚えた上で、フランス語で書いたり喋ったりするというのが何よりもハードルが高く、クリスマスからお正月に掛けての2週間の休暇中は常に頭の片隅に1月には試験が…という意識がありました。
特に大変なのは音楽史で、この前提条件に加えて範囲も20世紀の音楽史という、普段はモーツァルトやベートーヴェン、それからオペラではヴェルディやプッチーニなどの音楽に親しんでいる自分にとって、オリヴィエ・メシアンやブーレーズ、クセナキス、「4分33秒」という無音の作品で有名なジョン・ケージなど、名前は知っているけど作品は演奏したことがないし、ましてほぼ聴いてこなかった作曲家のオンパレードで、これが更に難易度に拍車を掛けていました。
まずは日本語の文献やらYouTubeでの解説動画を見たりして歴史としてのストーリーを把握し、それからフランス語のテキストと照らし合わせながら覚えていく、という方法で勉強しました。
結果的に普段自分が慣れ親しんでいる音楽とは違う時代の作曲家を開拓でき、20世紀の音楽ということで、今自分の生きている時代に直結した音楽の流れを勉強できて面白かったです。
特に音楽史のテストのリスニング問題でも取り上げられたフランスの作曲家のメシアンによる「世の終わりのための四重奏曲」は第二次世界大戦下にメシアンが捕虜として過ごした収容所で作曲、初演されたという話も含め、とても胸を打つ作品です。
YouTubeのリンクを貼っておきますので、ぜひお聴きください。
https://youtu.be/QAQmZvxVffY?si=wRuB_91ZMQt9cPMO
比較芸術史の方もシェイクスピアの舞台作品に加えて、イタリア未来派、ダダイズム、シュルレアリズム、そしてアンディ・ウォーホルなどが題材で、これから美術館に足を運んだ時の見方が変わるだろうなと思う内容でした。
さて、そんな試験のことが頭の片隅にあったクリスマス〜お正月のバカンス期間ですが、なるべく頭の隅の隅にその考えを追いやって、楽しい時間を過ごしたりもしました。
カテドラルに友人のフランス人のテノール歌手のコンサートを聴きに行ったり、
色んな友達の家のご飯に招かれたり、
大晦日は幕間にシャンパン付きのオペレッタを観に行ったりしました。
このところクスクスを食べる機会がよくあり、チュニジア人のピアニストの友達がチュニジア風のクスクスを、

アルジェリア人のソプラノ歌手の友達がアルジェリア風のクスクスを

作ってくれたりと、食べる度にその奥深さに思わず唸ってしまう料理です。
ヨーロッパは外食は高いので、クリスマスには自分も家に友達を招いてビーフシチューを作ったり、
大晦日には日本から持ってきていた蕎麦で年越し蕎麦を作ったりしました。

1月末は音楽院の声楽の試験があるのでその準備をしつつ、2月には外部でのオペラのオーディションがあったりと、どんどんチャレンジしていく月になりそうです。
次回もどうぞお楽しみに!
L木村雄太